研究内容について

 電気的・熱的・機械的に極めて優れた特性を示すグラフェンの応用を目指して研究を行っています。
低コストで大量にグラフェンを供給するために、鉛筆の芯などに含まれるグラファイトを原料としてグラフェンを取り出し、様々な溶媒への親和性を持たせることで、インク化することを目指しています。






分散性炭素材料の合成

環境負荷が高く、極めて強い酸化剤を用いることから反応制御性が著しく低い酸化グラフェンの合成法について、低環境負荷かつ穏やかに参加することを目指し、プラズマやマイクロ波といった外部刺激を利用した新規親水性炭素材料の開発に取り組んでいます。また、これらの方法において解明されていない親水化メカニズムの検証を行っています。



機能性グラフェン誘導体の合成

極めて優れた物性を発現するグラフェンに対し、低コスト素子作製への道筋を切り開くために、溶媒親和性の付与を行い、付加官能基によって非極性から極性溶媒までといった分散媒の選択性を持たせることに成功してきました。また、汎用性の高い合成ルートの開拓を行っており、望みの機能性を付与することが可能な合成手法の開発に取り組んでいます。



分散性炭素材料の評価法

グラフェン誘導体の分散性に関して、これまでの目視による主観的評価に疑問を呈し、客観的に数値化する装置の開発を行いました。本装置によって目視では判別不能な分散性の差異を見出すことに成功し、グラフェン誘導体のみならず、様々な分散液に対して適用できる可能性を秘めていることを明らかにしました。



グラフェン誘導体のデバイス応用

我々の研究室で創成した材料がデバイスとして機能するのかを確認するために、電気伝導性や電気伝導性の雰囲気ガス依存性の検討を行なっています。デバイスを作製するためのスピンコーターなどを自作しています。